看護師国家試験の合格基準は、必修問題が8割以上と固定されているのが特徴です。一方、一般問題・状況設定問題のボーダーは年度ごとに異なりますが、過去数年を見ると6割前後で推移しています。
本記事では、ボーダーラインの仕組みや過去の推移、問題構成との関係について詳しく解説します。合格に向けた学習計画を立てる際の参考にしてください。
看護師国家試験のボーダーラインは何点くらい?
看護師国家試験のボーダーラインを正しく理解することは、効果的な学習計画を立てる第一歩です。ここでは、ボーダーラインの基準や合格条件の違い、自己採点時の注意点について整理します。
そもそもボーダーラインとは何を基準にした数値か
ボーダーラインとは、看護師国家試験に合格するために必要な最低点数のことです。この数値は厚生労働省が試験後に決定し、合格発表日に公表されます。
看護師国家試験は全240問、300点満点で構成されています。ボーダーラインは、その年の試験の難易度や受験者全体の成績分布を考慮して算出されます。そのため、事前に確定した数値が公開されることはありません。
つまり、ボーダーラインは「この点数を取れば確実に合格」という固定値ではなく、試験実施後に決まる相対的な基準です。
必修問題と一般問題で合格条件はどう違うのか
看護師国家試験に合格するためには、2つの条件を同時に満たす必要があります。どちらか一方だけを満たしても合格にはなりません。
| 条件 | 対象問題 | 合格基準 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 条件1 | 必修問題(50問) | 80%以上(40点以上) | 毎年固定で変動なし |
| 条件2 | 一般問題+状況設定問題 | 年度により変動 | 試験後に厚生労働省が決定 |
必修問題は看護師として最低限必要な知識を問う問題であり、この80%という基準は毎年変わりません。一方、一般問題と状況設定問題のボーダーラインは、その年の難易度によって調整されます。
自己採点結果はどう受け止めるべきか
試験終了後、多くの受験生が自己採点を行います。しかし、自己採点の結果とボーダーラインの関係については、いくつかの注意点があります。
まず、自己採点はあくまで目安です。試験直後に公開される解答速報は、予備校などが独自に作成したものであり、厚生労働省の正式な解答ではありません。
- 解答速報と正式解答が異なる場合がある
- 採点除外問題が発生し、満点の基準が変わることがある
- ボーダーラインは合格発表日まで公表されない
このように、自己採点の結果には不確定な要素が多く含まれています。自己採点で過去のボーダーラインを大きく上回っていれば安心材料にはなりますが、ギリギリの点数の場合は結果が出るまで確定的なことは言えません。
看護師国家試験ボーダーの推移を見ると何がわかる?
過去のボーダーラインを振り返ることで、試験の傾向や難易度の変化を把握できます。ただし、その数値をそのまま目標設定に使うことには注意が必要です。
直近数年のボーダーラインの推移
一般問題・状況設定問題を合わせたボーダーラインは、年度によって大きく変動しています。過去5年間の推移は以下の通りです。
| 試験回 | 実施年 | ボーダーライン | 正答率換算 |
|---|---|---|---|
| 第110回 | 2020年 | 159点 | 約63.6% |
| 第111回 | 2021年 | 167点 | 約66.8% |
| 第112回 | 2023年 | 152点 | 約60.8% |
| 第113回 | 2024年 | 158点 | 約63.2% |
| 第114回 | 2025年 | 148点 | 約59.2% |
過去5年間の平均は約156.8点で、正答率にすると60〜67%の範囲で推移しています。過去10年間まで広げると、平均点は約154点となります。
年によってボーダーが変動する理由
ボーダーラインが毎年変動するのは、試験の難易度調整という仕組みがあるためです。厚生労働省は、その年の試験の難しさと受験者の成績分布を総合的に判断してボーダーを決定します。
- 出題された問題の難易度が年によって異なる
- 受験者全体の正答率の分布が変化する
- 採点除外問題の発生により満点の基準が変わる
第114回のボーダーラインが過去5年間で最も低い148点だったのは、試験の難易度が高かったことを反映しています。
過去のボーダーをそのまま信じてはいけない理由
過去のボーダーラインはあくまで参考値であり、次回の試験にそのまま当てはめることはできません。これは、毎年の試験内容や難易度が異なるためです。
たとえば、過去5年間のボーダーは148〜167点と約20点の開きがあります。このように大きく変動する数値を、そのまま目標設定に使うのはリスクがあります。
学習計画を立てる際は、過去の最低ボーダーではなく、余裕を持った得点を目指すことが重要です。一般的には、一般問題・状況設定問題で70%以上、必修問題で90%以上を目標にすると安心とされています。
ボーダーを左右する看護師国家試験の問題構成
看護師国家試験のボーダーラインは、問題構成と密接に関係しています。各問題区分の特徴を理解し、効率的な対策を立てましょう。
必修問題で落とせない理由
必修問題は50問50点で、1問1点の配点です。合格には80%以上、つまり40点以上が絶対条件となります。
この基準は毎年固定されており、どれだけ一般問題や状況設定問題で高得点を取っても、必修問題が39点以下であれば不合格です。これが必修問題を「落とせない」理由です。
| 問題区分 | 問題数 | 配点 | 合格基準 |
|---|---|---|---|
| 必修問題 | 50問 | 50点 | 80%以上(40点以上)固定 |
| 一般問題 | 130問 | 130点 | 一般+状況設定で変動 |
| 状況設定問題 | 60問 | 120点 | 一般+状況設定で変動 |
必修問題は基礎的な内容が中心ですが、それだけに「知っていて当然」という問題が多く、取りこぼしが命取りになります。
一般問題と状況設定問題が合否に与える影響
一般問題と状況設定問題は合わせて190問、250点満点です。この合計点に対してボーダーラインが設定され、合否が判定されます。
状況設定問題は1問2点と配点が高く、得点に大きく影響します。60問で120点分あるため、状況設定問題の出来が合否を分けることも少なくありません。
- 一般問題は幅広い11科目から出題される
- 状況設定問題は臨床場面を想定した応用力が必要
- 状況設定問題は配点が2倍のため得点効率が高い
状況設定問題への対策を疎かにすると、思った以上に得点を伸ばせないことがあります。
初見問題が増えるとボーダーにどう影響するか
近年の看護師国家試験では、過去問とほぼ同じ内容の問題ではなく、初めて見る形式の問題が増加傾向にあるとされています。これがボーダーラインの変動に影響を与えることがあります。
初見問題が多い年は、受験者全体の正答率が下がりやすくなります。その結果、ボーダーラインが低めに設定される傾向があります。第114回のボーダーが148点と過去5年間で最低だったのも、この影響が考えられます。
ただし、初見問題が多いからといって必ずしもボーダーが下がるとは限りません。問題の難易度と受験者の対応力のバランスによって調整されるため、過去問学習だけでなく、基礎知識の応用力を養っておくことが重要です。
まとめ
看護師国家試験のボーダーラインは、必修問題が80%以上で固定、一般問題と状況設定問題は年度によって変動する仕組みです。過去5年間の推移を見ると148〜167点の幅があり、平均は約156.8点となっています。合格に向けては、過去のボーダーを参考にしつつも余裕を持った得点目標を設定し、必修問題の確実な得点と状況設定問題への対策を両立させることが大切です。まずは問題構成を正しく理解し、自分の学習計画に反映させましょう。
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